PLASTAS
共著者:大阪大学・JAXA・サンライン・東京大学
2025年9月19日に開催された「日本地球化学会第72回年会(2025)G9 地球化学の最先端計測法の開発と挑戦」にて、大阪大学大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻・宇宙航空研究開発機構(JAXA)・株式会社サンライン プラスタス事業部・東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設が進める「極限環境下での迅速な現地分析を可能とするハイブリッドイオン化質量分析計の開発」について発表されました。
惑星探査や廃炉現場など、極限環境下での迅速な現地分析を目指し、無機元素同位体比と有機分子情報を同時に高感度で取得可能な小型質量分析計の開発を進めている。月極域の水資源探査など、軽量性や耐放射線性が求められる宇宙探査用途をはじめ、放射性核種特定や土壌中の有機・重金属汚染物質の現場分析といった応用も視野に入れている。本研究では、レーザーを用いた局所での分光分析と、アブレーション試料のソフトイオン化を組み合わせた「ハイブリッドイオン化」手法を開発し、幅広い分子種を低フラグメントで検出することを目標とする。背景には、水分や揮発成分の局所高感度分析手法として注目されるLIBS [1]、CRDS [2]などのレーザー分光技術があり、これらを参考にしつつ、無機元素と有機分子情報の同時取得を実現することで、従来法では困難だった現場計測の高度化を狙う。
[1] Harmon et al. (2013). Spectrochimica Acta Part B: Atomic Spectroscopy, 87, 11-26.
[2] Abe et al. (2021). Sensors and Actuators A: Physical, 320, 112559.
○伊藤健吾 (阪大院工・環境エネルギー工学専攻)
相田真里 (宇宙航空研究開発機構)
与賀田佳澄 (宇宙航空研究開発機構)
水津啓太 (株式会社サンライン)
松尾茉美 (株式会社サンライン)
宮原秀一 (東大院理・地殻化学実験施設)
平田岳史 (東大院理・地殻化学実験施設)