科学技術振興機構(JST)プログラムマネージャー育成・活躍推進プログラム(PM研修)研修生が サンラインのプラズマ事業「プラスタス」をサイトビジット:サンライン -SUNLINE-
2025.12.22

PLASTAS

科学技術振興機構(JST)プログラムマネージャー育成・活躍推進プログラム(PM研修)研修生が サンラインのプラズマ事業「プラスタス」をサイトビジット

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のPM研修生一行が、株式会社サンラインへ訪問し、新規事業である「プラスタス事業」や、大学・研究機関との共同の取り組みなどを視察しました。株式会社サンラインの新規事業開発や大学・研究機関との共同の取り組みは、産学官連携における研究開発プロジェクトを構想し推進する人材育成において重要な事例として選出されました。

 

JSTは、研究開発成果を社会実装につなぐ「橋渡し」機能の強化に向け、プログラムマネジャー(PM)育成のための研修・実践プログラムを推進しています。研究開発の上流となる企画立案から事業化までを一貫して見通し、産学官連携の中でプロジェクトを設計・運営できる人材の育成が重要視されています。
一方、サンラインは、釣糸製造で培った表面改質技術を礎に、2019年より大気圧低温プラズマを活用した新規事業を立ち上げ、2023年にはプラスタス事業部を設立。産業・ヘルスケア・農業など多領域での表面処理ニーズに応える技術開発・装置販売を展開しながら、大学や研究機関との連携による共同の取り組みを積極的に行っています。
今回の視察は、こうしたものづくり企業が新たな技術領域へ踏み出すための組織づくり・開発体制や、産学官連携における企業側の視点を、実際に訪問・見学し、情報交換することで学ぶことが目的です。

 

視察ではまず、プラスタス事業部が保有する様々なバリエーションのプラズマ処理装置をご紹介し、実際の処理デモンストレーションを通じて技術の特徴と適用可能な領域を説明しました。プラスタス事業部がこれまで受託開発として取り組んできた事例や、効果検証の進め方についても紹介し、新規事業としてどのように技術基盤を構築してきたかを解説しました。
続いて、本社釣糸工場をご案内し、サンラインが45年以上にわたって培ってきた紡糸技術や分析技術について見学しました。釣糸製造で蓄積された表面処理の知見が、プラスタス事業部の技術開発にどのように生かされているかについても触れ、社内開発の技術が他分野へどのように波及するかをご理解いただく機会となりました。
視察後には、研究開発テーマの設定や外部連携の進め方、技術開発から事業化へ至るプロセスなどについて、参加者の皆さまと意見交換を行いました。企業が新たな分野に挑戦する際の組織づくりや意思決定のあり方について、多面的な観点から議論が行われました。

 

JST関係者からは、「紡糸工程から分析・評価に至るまで、一連のものづくりの現場を拝見し、表面処理に関する豊富な知見がどのように蓄積されてきたのかを実感できました。プラズマ装置の多様な処理デモンストレーションも大変参考になり、特に大気圧プラズマの活用範囲の広さについて理解が深まりました。
私たちが日頃向き合っている親水性付与や接着に関する課題に対し、プラズマ技術が新しい解決策となり得る可能性を感じています。今回の訪問で得られた示唆を踏まえ、今後の産学官連携の中で、双方の取り組みがより良い方向へ発展していくことを期待しています。」との声がありました。